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世界ハードロックカフェ訪問記とトリビア

Tendies

英語の俗語で投資の儲けをtendiesと言います。tendie は同じく俗語でチキン・テンダー(骨なしチキン)という意味もあり、複数形のtendiesが儲けの意味で使われます。

映画“ダム・マネー ウォール街を狙え!”(Dumb Money)では主人公のキースが動画でフライドチキンを見せながら“今日は儲け’tendies)があるぞっ!”って言っていました。これでチキンと儲けのつながりを知った次第です。ギャンブル等での儲け、いわゆるあぶく銭を表すgravyは肉汁ソースの意味もあります。どちらも食べ物にからんでいるなんて、やはり儲けはごちそうで祝うってことですかね。

“ダム・マネー ウォール街を狙え!”は個人投資家がボロ株だったGamestop(ticker : GME)(コンピューターゲームの会社)の株価は割安だから買い!と動画で配信したら火がついてフォロワーが追随、個人投資家集団のサークルができ、ウォール街投資家のカラ売り勢を踏み倒して株価が急上昇して・・・巨大ヘッジファンド会社を倒産間際まで追い詰めたという実話に基づいた映画です。2020年、ちょうど米国株取引を再開した時期だったのでこの事件よく覚えています。

 

さて株に投資されている方は2024年はたくさんtendiesを享受できたのではと思います。

NISAは非課税ですが、それ以外で株や投信で設けた分は他の所得とは切り離して分離課税で所得税と住民税合わせて20.315%の税金がかかります。100円で買って120円で売れば利益20円に課税。特定取引口座の源泉ありで取引すれば証券会社が源泉してくれます。

 

米国株を扱っているネット証券が増えているので、以前より簡単に取引できるようになりました。米国株等、外国株取引も同じなのでしょうか?

 

外国株取引にはまったく違う税務上のルールがあるのです。

課税対象譲渡益=売却金額(売却時のレートを使った円換算額)- 取得金額(購入時のレートを使った円換算額)です。特定取引(源泉あり)もこのルールで清算されます。購入時に外貨を買い、売却時に外貨を売る円決済と手持ちの外貨を使う外貨決済のどちらかを選べます。いずれも売買時に手数料がかかりますがここでは省略します。

A社の株100を@USD100で買いました。100x100=USD10,000 の払いです。

2年後株価が上がったのでこの株を@120で売却しました。100x120=USD12,000受け取ります。購入時のレートUSD/JPY=110として取得額はJPY1,100,000。2年後の売却時は円安でUSD/JPY=150になりました。売却額はUSD12,000x150=1,800,000円です。1,800,000-1,100,000=700,000円が利益になり課税されるのです。140,000円(700,000x20%にしておきます)が源泉されます。円貨決済で取引していればこれと同じなので、売却時はネット1,660,000円受け取れます。為替差益込みです。

外貨決済で取引すると、すでに持っているUSD10,000を使ってUSD12,000受け取ります。税金は同様に計算されるので140,000円を源泉されます。外貨決済ではUSD2,000(2,000x150=30万円)が利益なのに、まだ実現していない為替差益を含んだ利益に課税されることになります。単純に比較すると円貨決済では税引き後560,000円のプラス、外貨決済では160,000円になってしまいます。円決済が有利ですね。

(外貨決済では購入時のUSD10,000を@105で買っていたとするとこの時点でJPY1,800,000(USD12000@150)-JPY1,050,000(10000@105)=JPY750,000の含み為替差益がありこの後増減することになります。)

 

売却時の為替レートが円高でUSD/JPY=90 だったらどうでしょうか?USD12,000x90=JPY1,080,000で1,080,000-1,100,000=-20,000になり、なんと売却損です。-20,000x20%=-4,000円は他に特定取引で源泉があれば、この分は相殺されるので還付されます。為替差損で円決済では税引き後はマイナス16,000円。外貨決済だとUSD2,000(180,000円@90)の利益に還付を足してプラス184,000円です。ここでは外貨決済が有利。(外貨決済はUSD10,000を@105でJPY10,080,000-JPY1,050,000=JPY30,000とここでも含み益がでています。)

 

このように実現した儲けはUSD2,000(tendies)だけなのに為替レートや決済手段で左右されるのが外国株取引です

 

便利なのは円決済ですが、円決済と外貨決済どちらが良いとは言えません。

違いは投資スタイルです。円決済の場合はすべて円で完結するので日々価値が変動する外貨を持つリスクを回避できます。

外貨決済では利益があれば外貨が増えて実際に外貨を売るまで為替差損益は確定しません。さらに円安になれば大きい為替差益を期待できます。つまり外貨を持たないリスク(機会損失)を回避できます。

 

ずっと外貨決済でやるものだと思っていたので便利な円決済ができると知った時は少し驚きました。それでもいつも外貨決済にしています。外貨決済の注意点は外国株取引口座に円資金をいくらか移しておくこと。源泉はその口座から引き落とされます。そこに円残高がないと代わりに外貨相当分を充てることになるので外貨残高が減ります。

2024年は米国株を一部売却したのですが、2020-2021年(USD/JPY=105~115)に買ったものが多く円安で150円台での売却。上記のルールで大きな為替差益が反映されて多額の税金を徴収(源泉)されました。中にはドル建てでは損なのに円換算したらプラスになって源泉されたケースもありました。なんかチキンを少しかじり取られた気分です(;_;)

 

米国株取引を始めたのは2003年です。日本で扱っている証券会社が少なかったのでアメリカのネット証券会社(TD Ameritrade のちにCharles Schwabが買収しています)に口座を作って始めました。非居住者で登録し、税金は日本で払うので米国での課税はなしでした。2012年に規制が厳しくなって米国で非居住者が取引するハードルが上がったので、弊社ではもう扱えない、他社も同じ措置になるので移行するのも難しいから期日まで保有株全部売却してキャッシュを送金するよう提案されました。取引手数料と送金手数料は無料という特典付き。泣く泣く撤退。残ったドルを日本に送金となりました。米国で取引している期間は毎年、上記のルール通り自分で計算して確定申告していました。投資額は多くなかったのでリーマンショックの影響は少なかったです。最近は円安で大変だ~!と騒がれますが、当時はUSD/JPYレートが70円台になったこともあり円高で大変だったのです。

1999年に初めて株取引をして以来ずっと投資は続けています。頻繁には取引しないし大金を動かしているわけではないので、披露できる武勇伝はあまりありません。一番の収穫は視野がすごく広がったことですね。買ったり負けたりで大変ですが、今はそれさえ楽しんでいます。

 

おわり。